2017/05/16

写真のこと

津軽塗箸

最近の気に入り
----------

KYOTO GRAPHIE
2017年のテーマは「愛」
最終日に駆け込みで少し観られた

少し面倒に思ったけど行ってよかったな
展覧会は、よっぽど、観たい、と思わない限り
最近はあまり観なくなっていたけれど
今の自分は観るべきだとわかってブルっと怖くなる

本当にインプットが不足している
まだ磨ける余地があるんだろうか、革の靴みたいに
受け取らずして引き出そうだなんて無茶だったんだなぁ

予想しない作品に出会って、気付きもいっぱいあった
作り込まれた展覧会の骨太さ
かっこよくって!

こんな気持ちをずっとどこかにやってしまってたみたい
ギャラリーを巡っていた頃が懐かしい
きっとあの頃の作品の方が太い骨があるはず
ごつごつで格好よくないけどなんだか泣いてしまうような



京都文化博物館
ラファエル・ダラポルタ「ショーヴェ洞窟」
ルネ・グローブリ「The Eye of Love」

:元・新風館
吉田亮人「Falling Leaves」
スーザン・バーネット「Not in Your Face」

:嶋臺ギャラリー
ハンネ・ファン・デル・ワウデ「Emmy's World」

誉田屋源兵衛 竹院の間
ロバート・メイプルソープ「MEMENTO MORI」

無名舎
ヤン・カレン「Between the Light and Darkness 光と闇のはざまに」

---
特に心に残ったのは吉田亮人の「Falling Leaves」
祖母と孫(吉田さんの従兄弟)を被写体に選んだ作品
写真を撮る理由、遺すことに対する葛藤
素直でいいなと思った
どの写真もあたたかい目線があって
写真とはそういう想いが写り込むものだったのか

たまたま
その前の日に図書館で読んでた金川晋吾「father」も
身近な父親を被写体に選んだ作品だった
驚いたのはどうやら同郷の方らしく知った地名がどんどん出て来て
内容が内容だけに、すぐ身近でこんなことがなぁ とちょっと面食らった
借金を繰り返し、自己破産云々・・ということよりも
とにかく無気力である父(病気という感じではないらしい)の心がすごく気になった

吉田さん、金川さんの作品をみていると
写真に撮ることで見えてくることがある、という気がした

私の写真の先生は、写真は光を撮ること、そして影を撮る事だ、とよく言っているけれど
それは絵的な事だけじゃないのかも


数日前、
京都シネマでホンマタカシさんのドキュメンタリー作品を2本みた
「after 10 years」
「きわめてよいふうけい」

きわめてよい風景は写真家 中平卓馬のドキュメンタリーで
どこまでもホンマさんの、中平さんへの敬意や愛情を感じる作品だな、と
ありきたりな感想だけどほんとうにそう思った
撮りたい、という気持ちが端々にいきわたっている

ラストの方、海を背景に写真をとる中平卓馬の姿が目に焼き付いた
あれはホンマさんの目線。きっとほんとうにああいう風にみていたんだと思う
演出とかじゃなくって
花巻で「つきよのでんしんばしら」をみたときみたいに。


そのまた数日前
イギリスの友人から「川内倫子さんの作品をみているとあなたのことを想う」というようなメッセージをもらった
それは朝にみたのだけど、うれしくて胸がいたかった
さっそく本屋へ行って「うたたね」を手に取る
学生時代に好きでよく図書館で読んでいたもの

0 件のコメント:

コメントを投稿